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日本共産党加須市議会議員

埼玉一の米どころ 農地と農業を守れ

 

 加須市は埼玉一の米どころ。しかし、現状はきびしい状況におかれています。今年から、政府による米の生産調整がなくなりました。米の直接支払交付金も廃止になりました。後継者不足で農地が維持できず、耕作放棄地も増えています。きびしさを増す地域農業のもとで、市内では農地や農業を守るための取り組みが始まっています。

 私は、6月市議会の一般質問で、地域農業の再生を取り上げました。農家の意向や各地の取り組みを支援するよう求めました。


 加須市は、2015年農林業センサスによれば、米の作付面積は4630㌶、収穫量は2万3500トンで、ともに県内第1位です。埼玉一の米どころと言われる所以です。
 しかし、高齢化で農業就業人口は減少の一途をたどり、この10年間で6826人から4309人に2517人、率で37%も減少し、後継者不足に歯止めがかかりません。

 さらに、今年度からは、米の直接支払交付金もなくなりました。米の直接支払交付金は2011年度から始まり、10アール当たり1万5千円が交付され、稲作農家の所得保障制度として、米の再生産を支えてきました。加須市農家の交付額は、年間約2億円に上り、地域経済にも寄与してきました。ところが、2014年度から7500円に半減。今年度から全て廃止となりました。

 市は、稲作農家への影響を懸念し、昨年8月、農家の現状や意見等を把握するため、「稲作農家のための施策に関するアンケート」を実施しました。その結果、「稲作農家に必要な施策」について、第1位は「所得安定対策」、第2位は「農地集積、基盤整備」、第3位は「担い手確保」及び「生産数量目標制度継続」。所得安定対策は強い願いとなっています。

 昨年のコシヒカリのJA概算金は1俵60㌔1万2800円。これに対し、農林水産省が公表した生産費は1俵1万4584円です。米価は、生産費に対して約1800円も下回っています。「米作ってメシ食えない」「作れば作るほど赤字」とはこのことです。

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 農業の後継者不足の大本には、農業では生活できないという問題があります。農家の後継者や新規参入者が安心して農業ができるよう、農政の抜本的な転換がつよく求められています。あわせて、水田は国土や環境保全、洪水防止などの多面的な機能を果たしており、国民の安全にとっても大きく関わっています。
 国は農業の再生に向け、価格・所得保障を再建し、農業に励める土台を整え、根本的な転換を図るときです。

 あわせてきびしさを増す地域農業のもと、埼玉一の米どころをどう守るのか、農地と農業をいかに再生するのか。市は、各地で始まっている取り組みを励まし、支援、発展させることが求められています。

 現在、市内では農地中間管理事業が取り組まれています。農地中間管理事業は、県段階に設置された農地中間管理機構が、農地の所有者から農地を借受け、必要に応じて基盤整備を実施し、地域で農地の借受けを希望する者に貸し出し、まとまりのある形で農地を利用できるように貸付ける事業です。

 各地区では協議会を設置し、高齢化などで耕作できない農地をだれが引き受けるのか、協議を重ね、出し手から受け手へ農地の配分を行い、畦畔撤去、区画拡大、集積化や道水路などのほ場整備を計画しています。私は、事業の進捗について質問しました。

 高橋章経済部長は―農地中間管理事業は、現在市内で21地区―加須地区2地区、騎西地区9地区、北川辺地区8地区、大利根地区2地区で実施。今後も支援していく。ほ場整備事業は、ほ場の区画拡大、道路や水路の整備を行う埼玉型加須方式は5地区、ほ場の拡大のみを行う機構運営事業は、外川地区と麦倉地区の2地区で実施していると説明。

 また、農業再生の最大の課題は、担い手を増やすことです。農業を希望する人、続けたい人、みんなが担い手です。専業や兼業など家族経営はじめ集落営農や農業法人など大小多様な担い手を増やすこと。高齢農業者のリタイヤが加速し、後継者不在というなか、新規就農者の確保に向けた対策が必要です。 

 市は、新規就農者育成事業(研修生に3年間月額3万円・受入農家に3年間月額2万円 農業用設備等100万円助成)、担い手育成事業(認定農家に対し資金利子補給、設備補助)等に取り組んでいます。佐伯議員は、成果について質問しました。

 高橋部長は―新規就農者育成事業では、平成27年度〜29年度に4人が研修し、1人が研修先農家に就職、3人が農業経営を開始し、うち1人は認定就農者として取り組んでいる。農業担い手塾では、受講後、29人が農業の担い手になっている。担い手育成支援事業では、認定農業者の育成を支援した―と説明。

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  さらに私は、農業委員会の役割に言及。農業委員会は、「農地の番人」と言われ、農地に関する行政権限をもち、農地を守り、有効利用を図ることが仕事です。改正農業委員会法のもとで、加須市の委員定数は15人(改正前36人)。新たに農地利用最適化推進委員22人が委嘱され、各担当地域で農地利用の集積・集約化の推進、遊休農地の発生防止・解消など、農業委員と協力して活動しています。

 また、推進委員から、遊休農地の発生を防止するため、すべての農家に対し、いつまで営農が続けられるのか、後継者はいるのかなど、将来の営農について調査するよう提案されています。私は、調査を実施するよう提案しました。

 最後に、私は大橋良一市長に対し、「県内一の米どころは正念場を迎えています。農地と農業を守るため、◇各地の農地中間管理事業やほ場整備の支援と予算確保、◇後継者や担い手育成の取り組み強化」について提案しました。

 市長は「農業は、加須市の最大の産業という認識に立って、市政運営しています。農地中間管理事業等も含め、ほ場整備に取り組んで参ります。担い手の確保では、新たな若い人の担い手をどう確保するか、新規就農者への支援も続けていくことが大事です。加須市農業の進展のため、努力を重ねていきます。国、県、JAなど関係機関で連携をとって進めていきます」と答えました。

2018.08.03 10:33:44

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