加須市議会は今月3日、9月市議会を閉会しました。
最終日の本会議で議案の採決に先立ち、佐伯由恵議員は日本共産党議員団を代表し、産業建設委員会で審査した2015年度の土地区画整理事業・上下水道・農業集落排水について市民の立場から討論をおこないました。
土地区画整理事業について、身の丈を超える開発は見直すよう求めました。以下は要旨です。
◇野中土地区画整理の決算
第88号議案 2015年度野中土地区画整理事業特別会計決算の問題です。
当該事業はあまりにも無謀な事業で、合併直前に大幅な見直しを図った経緯があります。開発面積86.3ヘクタールから63.5ヘクタールに、総事業費も99億円から55億5,400万円にしました。これに水道管布設工事4億3,600万円を含めると総事業費は59億9,000万円で、税金投入を約40億円も見込んでいます。
また、切り離した22.8ヘクタールは、野中まちづくりプラン開発事業に切りかえ、1戸当たり税金約1,000万円を投じています。
区画整理事業は、保留地を処分して、それを事業費に充てることが基本です。当該事業の保留地面積は4.1ヘクタールで、うち一般向け40画地、企業向け2画地の計42画地、処分予定額は15億6,600万円です。保留地が売れるか、これは事業の試金石になります。
決算年度までに処分できたのは3ヘクタールで、一般向け3画地、企業向け2画地の計5画地、金額で11億8,952万円です。一般向け保留地は、まだ37画地も残っており、処分できなければ約4億円は税金で負担しなければなりません。
また、計画人口も目標の3,800人に対し、393人、約1割にとどまっています。あまりにも無謀な計画と言えます。
身の丈を超える開発事業は見直し、市民の暮らし・福祉に回すことをつよく求め、本案に反対するものです。
◇栗橋駅西土地区画整理の決算
次は、第89号議案 2015年度栗橋駅西(大利根)土地区画整理事業特別会計決算の問題です。
土地区画整理事業の基本は、減歩によって保留地を生み出し、それを売却して事業費に充てることです。ところが、この栗橋駅西開発も野中土地区画整理事業と同様、先に血税投入ありきですすめられてきました。
当該事業の区域面積39.1ヘクタール、総事業費64億2,346万円です。決算年度では残っていた3画地の保留地はすべて処分し、事業は今年度で終了する運びです。
結局、64億円の事業費のうち、保留地処分による財源はわずか8億1,892万円で、事業費全体の12.7%にすぎません。税金は48億971万円、率で74.8%もつぎ込みました。人口も目標の3,128人に対し、2,325人・74%止まりで、結局、目標にはとどかず、税金が湯水のように使われました。よって、本案に反対するものです。