先月24日、大橋良一市長は農林水産省を訪れ、稲作農家の経営改善に向けた支援を林芳正農林水産大臣に要望書を提出しました。
6月市議会でさえき由恵議員は、米価下落による農家の窮状を訴え、大橋市長に対し「農家の声を国に届け、米価の安定対策を求めるよう」強く要望。市長は「加須市の状況を国に訴えます」と約束しました。
要望書は、米価下落に対するセーフティネットの構築など4項目。さえき議員の提案が実っています。
加須市は名実ともに「埼玉一の米どころ」。ところが米価の暴落で最大の危機に直面しています。
昨年の米価大暴落で加須市のブランド米「コシヒカリ」は一俵60㎏で8千円、埼玉県の推奨米「彩のかがやき」に至っては一俵7千円。一方、米の生産費は一俵1万6千円。この半分にもなりません。農家の減収は、直接支払交付金の半減と合わせ市全体で22億円。さらに前年も米価が暴落し約10億円の減収。2年間で実に32億円の収入減です。農家は今年も米が暴落したらやっていけない訴えています。
一方、国の米の収入減少影響緩和対策、いわゆる「ナラシ」の交付金は、スズメの涙。大幅減収の4割にもなりません。セーフティーネットになっていません。
そこでさえき議員は6月市議会で市長に要望。「県内一の米どころの市長として、国に米価の安定対策をつよく働きかけていただきたい。米価安定対策とともに、国の交付金の改善も必要です。農業者の声を政府に届け、力を尽くして欲しい」と強く要望。
市長は「米作りを業として頑張っていこうという農家には支援が必要。米価の動向について私自身も大きな危惧を持っています。加須市の状況をきちんと国に訴えていく、その姿勢が必要。市の米作りが持続発展出来る方向に持っていければと考えています」と答弁。 そして要望書を作成して先月24日、市長は農水省に出向き、林農林水産大臣に農家の支援を求めて提出しました。これには福島正夫議長、藤原豊経済部長も同行しました。
要望書は、次の4項目ー
①米価の大幅な下落に対応可能なセーフティネットの構築、②コスト削減のための農業基盤の強化を図る支援、③意欲ある担い手に対する設備投資への強力な支援、④米の多様な需要拡大の推進―です。懇談で市長は「昨年の米価下落で地元の農家は相当深刻な影響を受けている。所得の確保には国の支援が必要」と訴え支援を要請しました。
林大臣は「加須は東京に一番近い米どころ。連携を密にしてやっていきたい」と答弁し、予算確保に前向きな姿勢を示しました。