6月市議会が今月28日まで開会中です。私は18日の本会議で、議案に対する質疑を行いました。以下は、介護保険料を引き下げる条例改正の質疑の要旨です。
介護保険制度は20年前、「介護を社会全体で支える」という理念のもと導入されました。しかし、当初から、介護保険料は年金から容赦なく「天引き」する一方で、利用料の負担が重く、その上、基盤整備の遅れでサービスが受けられず、「保険あって介護なし」と指摘されてきました。
さらに、国の社会保障費抑制政策のもと、負担増や給付減が繰り返されてきました。また社会保障を良くするためと言って消費税8%増税を強行しましたが、老後の命綱である年金は減らされ、介護保険料はどんどん上がり、まったく良くならない…これが市民の実感です。
高齢者の3人に2人は住民税非課税です。そのため、介護保険料は高齢者の負担能力を超え、生活を圧迫する大きな要因となっています。高齢者の深刻な実態は、市が一昨年度に行った、「高齢者生活実態調査」の結果でも明らかです。
◆「生活を送る上で困っていること」 第1位「経済的なこと58.1%」で約6割
◆「現在の経済状況について」 3人に1人が「苦しい」
ところが、市は第7期事業(2018年度〜2020年度の3カ年)の介護保険料を14.1%も大幅に引き上げ、高齢者に2億6,600万円の負担増を押し付けました。
引き上げの理由は
①国補助金の減額分を高齢者の介護保険料で埋め合わせる
②消費税10%増税分を1年半前から前倒しで徴収するというものでした。
これに対し、わが日本共産党議員団は、高齢者のくらしと尊厳を守るため、介護保険料の負担増を中止し、据え置く修正案を提出した経緯があります。
わが議員団は引き続き、高齢者がお金の心配をしないで安心して受けられる介護保険制度にするため、介護保険料の軽減を強く求めるものです。
今回の改正は、消費税税率引き上げ分を財源に、低所得者(第1段階から第3段階)の保険料の軽減を図るもので、今年度の軽減は、2020年度の完全実施分の軽減幅の半分の水準に設定しています。軽減の内容について、斉藤・福祉部長が以下のように説明。
【2019年度の介護保険料の軽減】 合計8,672人・4,140万6,720円減
・第1段階 30,450円→25,380円 5,070円減
5,120人 計2,595万8,400円減
・第2段階 47,370円→40,600円 6,770円減
1,856人 計1,256万5,120円減
・第3段階 50,760円→49,060円 1,700円減
1,696人 計4,140人1,650円減
【2020年度の介護保険料の軽減】 合計8,874人・8,475万4,360円減
・第1段階 30,450円→20,300円 10,150円減
5,239人 計5,317万5,850円減
・第2段階 47,370円→33,840円 13,530円減
1,899人 計2,569万3,470円減
・第3段階 50,760円→47,370円 3,390円減
1,736人 計 588万5,040円減
この介
護保険料軽減に充てる財源は、国負担金2,070万3千円、県負担金1,035万1千円、市負担金930万1千円の合計4,035万5千円を、一般会計から介護保険特別会計に繰り入れて対応しています。
これまで市当局は、介護保険料の軽減を目的に一般会計から繰り入れることはできない、国は認めていないと説明してきました。
しかし、大橋市長は提案理由で、「特別会計において、被保険者からの保険料の減額分を一般会計からの繰入金で補う」と述べ、これまでの説明を転換しました。
私は、「今回の条例改正は消費税率引き上げ分を財源に、低所得者の介護保険料を軽減するというもので、消費税率引き上げ自体は大問題」と指摘。その上で「しかし、昨年度から介護保険料が14.1%も上がり、高齢者がますます払えなくなる中、軽減することは高齢者にとって良いこと」と述べ、一般会計からの繰入れも含め、更なる引き下げの必要性を強調しました。
2019/06/22