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今年最後の市議会となる=11月~12月市議会が25日に開会します。会期は16日間です。以下は会期日程です。 |
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【会期日程】 11月25日~12月10日 16日間 |
すべての国民一人ひとりに12桁の番号を付けて、国が一生涯にわたって、国民を監視・管理する個人番号制度=マイナンバー。今月から市民に12桁の番号が通知され、来年1月から社会保障と税金等の分野で利用が始まろうとしています。
日本共産党議員団は、議会のたびに制度の問題を指摘してきました。9月市議会(今月2日閉会)では、マイナンバー制度導入のための4議案について、制度の問題点を浮きぼりにしました。
国民を12桁で管理
マイナンバー制度は、すべての国民に12桁の番号を付番し、税金や社会保険料、医療・介護・年金・保育サービスなどの情報をデータベース化し、国が一元管理する法廷受託事務です。
また金融機関の預金口座や健康診断情報にも12桁の番号で紐づける法律が、先の国会で強行されています。
12桁の個人番号のもとには、生年月日・性別・住所・家族関係・職業・職場・年収・預貯金の状況・学歴・健康状態・趣味などの情報がぶら下がることになります。
今月から、市民に12桁の番号が通知されます。来年1月から社会保障と税金等の分野で利用が始まります。
番号に個人情報を紐つける
今月から市民に、12桁の番号が通知されます。しかし、すでに7月5日にはすべての市民に、12桁の番号が仮付番されています。この仮付番が、マイナンバーとして市民に通知されることになります。
マイナンバー導入によって、市が取り扱っている事務の殆んどが、12桁の番号で紐づけられます。その内訳は、加須市が取り扱う事務が37件、国等の行政機関からの照会が35件の見込みで、合計72件の事務が紐づけられます。そして、この事務に係わって市があつかう手続きの内容は実に651項目という膨大な数にのぼります。つまり、市民の個人情報の殆んどが12桁の番号で紐づけられるということ。
さらに、民間企業には法人番号が付けられます。そして、企業に対して従業員や扶養家族等の12桁番号の収集が義務付けられ、今月末から来月にかけて、12桁番号の収集が始まります。
最大の問題 個人情報の漏えい
最大の問題は、プライバシーの侵害や個人情報の漏えい、「なりすまし」犯罪のリスクが飛躍的に高まることです。
個人情報を保護するプライバシー権は、そもそも憲法で保障された人権です。
よって、国が12桁の番号を付けて、個人情報を一括管理し、利用すること自体が重大な問題だと言わなければなりません。
マイナンバー制度は、12桁の番号を通して大量の個人情報が、行政と民間の双方で利用されます。つまり、一人ひとりの個人情報が12桁の番号によって「いもずる」式に引き出され、また名寄せによって情報漏えいや「なりすまし」など、不正利用とプライバシー侵害の危険性が高まることは明白です。この危険性について内閣府は、制度導入前からホームページで「マイナンバー制度に便乗した不正な勧誘および個人情報の取得にご注意ください」と警告しています。
加須市の情報セキュリティ 重大な欠陥
今月5日から、市民一人ひとりに12桁の個人番号が記載された「通知カード」が、世帯単位ごとに簡易書留で通知されます。
ところが、加須市の個人情報を保護するセキュリティーには重大な欠陥があり、最悪の状態であることが、共産党議員団の追求で判明しました。
加須市は、情報を保存する基幹系ネットワークと、インターネットにつながる情報系ネットワークを接続している事実が明らかになりました。
年金機構より悪い
6月はじめ、日本年金機構から125万人分の個人情報が、大量に流出する重大事件が起こりました。
年金機構は、個人情報を保管している基幹系ネットワークと、インターネットに接続する情報系ネットワークは分離していました。
しかし、基幹系ネットワークから情報系ネットワークに、個人情報を移して作業を行っていました。
ところが、標的型の不正プログラムに攻撃され、情報系ネットワークから大量の個人情報が流出しました。これが、年金の個人情報が大量に流出した原因です。
総務省が通知
総務省は、年金の個人情報流出を受け、市町村に個人情報を保護するセキュリティー対策として、個人番号を仮付番する7月5日までに―①基幹系ネットワークと情報系ネットワークを物理的に切断して通信不可能な状態にすること、②業務に利用している端末を2つのネットワークの共通端末にしないこと―を通知しました。
重大な欠陥のまま
制度の導入を目前に控え、市は応急対策を講じています。しかし、約半分を情報ネットワークから切断したに過ぎません。根本のシステムは、依然として重大な欠陥を抱えた状態に変わりありません。
大橋市長は「10月5日までネットが共有できないようにする。抜本的には数億円かかる。そのため暫定的に問題がないように、システムの改修を進めている」と説明しました。また、担当課長は基幹系と情報系のネットワークを物理的に切断したシステムを構築するには「最大で6億円が必要」と答弁しました。
合併で悪くなった
なぜ、加須市の個人情報保護のセキュリティーが最低水準なのでしょうか。
それについて大橋市長は「合併時のシステム統合に経費を安くした」と説明しています。つまり、合併によって個人情報保護セキュリティーが最悪の結果を招いているのです。
個人上保護が最優先
基幹系と情報系のネットワークがつながっている自治体は全国で1~2割程度です。
8月の参議院内閣委員会でマイナンバーを担当する山口俊一大臣は、基幹系と情報系のネットワークを切断していない自治体について「その自治体にマイナンバーのネットワークに入ってもらうということはやめさせていただきたい」と答弁しました。
この答弁によれば、加須市はマイナンバーに加入できないと言えます。
市民にとって危険なだけ 中止と撤回を
マイナンバーは、市民の利便性につながるのでしょうか。市民にとって、常に12桁番号による個人情報の大量漏えい、「なりすまし」犯罪の激増が危惧され、心配と不安がつのるだけです。
では誰が便利になるのか。大橋市長は、「行政サービスの効率化を図るということが大きな視点」と説明しています。つまり、行政の内部の話。要は12桁番号を強制的に市民一人ひとりに付けて一生涯にわたって市民を監視・管理する道具につかおうというもの。
また、マイナンバーには莫大な費用がかかっています。これまで分かっているだけで2億3千万円。基幹系と情報系のネットワークを物理的に切断する経費はマックスで6億円。つまりマイナンバーに要する経費は総額は8億3千万円となります。これは、小・中学校にエアコンをすぐ設置できる財源に相当します。
マイナンバー導入は、莫大な経費と重大なリスクが噴出するばかりで、中止と撤回こそつよく求められていると言わなければなりません。