国連総会は、2019年〜2028年を「家族農業の10年」とすることを全会一致で可決しました(2017年12月)。小規模・家族農業を再評価し、支援することが目的です。
私は5日の本会議で、国連の「家族農業の10年」を啓蒙するとともに、家族農業への支援を提案しました。以下が要旨です。
現在、世界の食料の8割が小規模・家族農業によって生産されており、世界の全農業経営体数の9割以上を占めています。世界の農業経営の72%は1ヘクタール未満の小規模経営ですが、世界の食料安全保障や食料主権を支える基盤になっています。
日本においても、家族農業は農業の中心的形態となっています。
こうした小規模・家族農業を再評価し、政策的に支援するため、国連総会は昨年12月、2019年〜2028年を「家族農業の10年」とすることを全会一致で決議しました。日本政府も共同提案国となっています。
これは、2014年の「国際家族農業年」の成果を引き継ぎ、さらに家族農業を支援する国際的な枠組みづくりと各国における取り組みを促進するというものです。
加須市は埼玉一の米どころ、基幹産業は農業です。総農家数は4,163戸、うち販売農家数は3,010戸で、認定農家は法人も含め268戸です。9割以上が小規模・家族農業です。
◆「家族農業の10年」―宣伝・啓蒙を
私は、国連決議「家族農業の10年」の内容を、農家及び農業団体等に宣伝・啓蒙するよう提案しました。
経済部長は「国連は2019年〜2028年を『家族農業の10年』と定め、加盟国及び関係機関等に対し、食料安全保障確保と貧困撲滅に大きな役割を果たしている家族農業への施策の推進、知見の共有を求めています。市は国と同様、家族農業は地域農業の担い手として重要と間がエア、様々な支援に取り組んで参りたい」と答弁しました。
◆今年産米、等級下がり大幅な減収
今年の夏の暑さは災害と呼ばれるほどでした。そのため、米に猛暑被害が発生し、等級が下がり、農家は大幅な減収です。
私は、「コシヒカリは1等米や2等米がなく、3等米が92.4%。彩のかがやきはコシヒカリほどではありませんが、1等米56.7%、2等米25.8%、3等米17%で例年より等級が下がりました(JA調査)。収量も1反で約2俵、多いところでは2俵半少ないと言っています」と農家の現状を説明しました。
◆融資制度を拡充し家族農業に支援を
現在、農業機械などを購入する場合、認定農家には、「スーパーL資金」(長期低利資金、5年間無利子など)や「農業経営基盤強化資金」(金利負担なし)といった有利な融資制度があります。しかし、認定農家以外の家族農業にはなく、農家のみなさんから要望が寄せられています。
そこで私は、この融資制度を認定農家以外の農家にも拡充するよう提案。
これに対し、大橋良一市長は、「本市の農家はほとんど家族農業。市の重要な主要な産業である農業を支援していくことは市政の基本。やる気のある人、きちんと応援していく。今の私の基本的な考えであります。耕作する面積が多いか、小さいかではなく、何人でやっているかではなく、将来を見通して、農業は厳しけれどやっていくんだという方に対し、国・権と一体になって支援して参りたい」と答弁しました。
私は「認定農家も含め、それ以外の小規模農業についても、やる気のある人は市長として応援していくとうことでした。その姿勢で頑張っていただきたいと思います」と述べました。