12月市議会で、公立学童保育の保育料を引き上げる条例に対し、わが議員団は保護者の負担を軽減する修正案を議長に提出しました。
修正案は、今日(12日)の最終日の本会議に上程され、議員団を代表して、私がが提案理由を説明しました。
以下が、その内容です。
学童保育室条例の改正「公立学童保育料の引き上げ」に対する修正案
2016.12.12最終日
【提案理由の説明】
私は、第111号議案 加須市立学童保育室条例の一部を改正する条例に対する修正案について、発議者を代表し、提出理由を説明します。
非正規労働の増加によって低賃金労働者が増え、共働きしなければ子どもが育てられない家庭が急増しています。また、ひとり親世帯が増加するなど、学童保育のニーズが急速に高まっています。
現在、市内には学童保育施設が、公設公営16施設、公設民営8施設、民設民営8施設、合計32施設が設置され、市内の児童約5,730人のうち1,450人、4人に1人が通っています。しかし、学童保育に希望しても入れず、待機児童の解消が急務となっています。
原案の最大の問題は、来年4月から公設公営学童保育室の保育料の額を改正していることです。来年4月、公設公営に入所を申請している児童は927人で、児童全体の6人に1人にあたります。保育料の改正は、子育て世帯に大きな影響を及ぼすことは明瞭です。
ところが、原案では、保育料の階層区分3〜区分7まですべて引き上げ、全体の7割を越える662人の保護者に総額約700万円の負担増となっています。
・区分3は年収210万円以下のワーキングプア世帯です。
・区分4はワーキングプアと紙一重の低所得者世帯です。
・区分5及び6は低賃金で所得が低下し、疲弊する中間層世帯です。
いずれも幾つもの仕事をかけ持ち、必死で子育てをしています。原案はこの低・中間層世帯の保育料を25%〜36.4%、約4割も引き上げています。
保護者が負担しているのは、保育料だけではありません。毎月のおやつ代が2,000円、延長保育の保育料として学期中は500円、夏期休業中は1,000円を負担しています。保育料以外に、月々およそ2,500円を負担しています。
ところで、加須市の合計特殊出生率をみると1.04で国と県、近隣市と比較し、著しく低くなっています。「総合戦略・中長期人口目標」に接近するため、子育て世代の負担を軽減し、子育てを応援する施策を思い切って展開することです。
そこでわが議員団は、子育て世代の「貧困の拡大」及び「中間層の疲弊」を重大な問題と捉え、保育料を修正しました。
具体的には、働く貧困層=ワーキングプア世帯の区分3は、原案の3,000円より900円引き下げて2,100円に、区分4は、原案の4,500円より2,300円引き下げ、現行水準の2,200円に据え置き、低所得者世帯の負担増をなくしています。
また、所得が減少している中間層世帯の疲弊状態を救済するため、区分5は、原案の5,500円より1,000円引き下げて4,500円に、区分6は、原案の7,000円より1,000円引き下げて6,000円に、さらに区分7についても、原案の8,000円より500円引き下げて7,500円に負担軽減を図り、子育て世代を支援する措置を講じています。
この結果、保護者負担を、原案に対し総額1,060万円、現行に対し565万円減額し、保護者負担の軽減を図り、もって子育て支援の措置を講じました。
わが議員団の修正案は、子育て世代に大いに歓迎されるものと確信するものです。
以 上
なお、わが議員団の修正案は、賛成少数によって否決されましたが、修正案が指摘した子育て世代がおかれている深刻な状況=「貧困の拡大」及び「中間層の疲弊」は、今後の市政運営、特に子育て支援のあり方につながるものと受けとめています。