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真っ白なモンシロチョウ |
加須市議会は市民の負託に応えるため、議員の政治倫理基準などを定めた「加須市議会政治倫理条例」を2011年3月に制定し、同年10月から施行しています。
条例第4条「市の工事等に関する遵守事項」では、「議員、その配偶者(内縁関係を含む)及び当該議員の2親等以内の親族又は同居の親族が経営する企業並びに議員が実質的に経営に関与する企業は、地方自治法第92条の2の規定の趣旨を尊重し、市が行う工事請負契約等を辞退し、市民に疑惑の念を生じさせないように努めなければならない」と定めています。
この政治倫理条例に対し、議員の関連企業が違反している疑いがあるとして、9月1日、市民から市議会議長に対し、調査請求が提出されました。
内容は、3人の議員が関連する企業が、市の公共工事を受注している疑念があるというもので、資料を添えて第4条違反について調査を求めました。
市議会は、市民から提出された調査請求を重視し、条例第6条「審査会の設置等」に基づいて、「政治倫理審査会」を設置しました。
審査会の委員は事の重大性から、各会派の代表等6人で構成し、日本共産党議員団から団長の小坂徳蔵議員が就きました。
そして7日、第1回目の会議がひらかれ、委員長に小坂徳蔵議員が選出され、審査の内容と当面の審査日程を決めました。
次回の審査会は13日です。条例第7条「審査会の調査」に基づき、まず、調査請求者に出席を求め、請求趣旨などについて審査します。次に、市長部局の担当者に出席を求め、事実関係を確認します。
さらに、条例違反の疑いが指摘されている議員3人に出席を求め、事情聴取を行います(非公開)。なお、条例第9条「審査結果の公表等」によって、審査結果については市民に公表し、条例に違反した議員に対し、必要な措置を講ずることになっています。
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ジャガイモ畑で |
― 今回の問題について共産党議員団の基本的な考え ―
今回の問題について、わが議員団は、以下の3点について基本的な考えを表明しています。
第1に、最高裁は今年5月27日、政治倫理条例に関して、司法の判断を下しています。
その内容は、議員の2親等の親族会社の請負を禁じる政治倫理条例は「正当な規制」であり、合憲であると明確に指摘し、司法の判断が確定しています。従って、このことが地方議会における社会的ルールになっています。これをふまえた対応が強く求められます。
第2に、加須市議会における議員のコンプライアンス=法令遵守の意識が問われている、という問題です。
市議会が条例を制定したのは2011年3月。施行については、準備期間等を考慮し、6カ月の猶予期間をおきました。しかし、施行から3年余り経過しているにも関わらず、条例が遵守されていない。このような疑念が市民から指摘されています。これは、重く受け止めなければなりません。
第3に、今回のことで市議会に対する市民の信頼が揺らいでいます。市民からの信頼を取り戻すため、市議会の自浄能力が大きく問われています。とりわけ、政治倫理審査会の役割は重大です。審査会の審査及び調査は、市民の期待に応えるものでなければなりません。
審査の結果を市民にしっかり公表し、違反した議員に対する必要な措置を講じ、市民の信頼回復に力を尽くすことです。
日本共産党議員団は、審査会の審査を通じ、この基本的立場で力を尽くすものです。
以 上